今月の農作業(12月)柑橘
JAありだ営農指導課
収穫作業
定期的に果実分析を行い、着色・糖度をチェックしながら品質基準に達した果実から収穫しましょう。
さらに12月に入ると、外なりの果実は降雨や降霜の影響を受け、浮皮や傷みが発生しやすくなります。熟度と品質をよく考慮し、成熟が早い外成り果から順に採るなど、2~3回に分けて分割採果を行い、果実品質の均一化を図りましょう。
また、貯蔵中の腐敗果発生を防ぐため、採果の際はハサミ傷やホゾ高に十分注意しましょう。
家庭選別の徹底
腐敗果の混入や出荷先での腐敗は、市場・消費者の信頼を失い、有田みかんのブランドイメージの悪化に繋がります。
選果台をできるだけ明るくし、特に果実の傷み・腐敗果に注意し、家庭選別を徹底しましょう。
また、選果時の衝撃をできるだけ少なくし、果実を丁寧に取扱いましょう。
収穫後の樹勢回復対策
高品質生産のために実施したマルチ被覆やフィガロン乳剤散布の影響による樹勢の低下が懸念されますので、収穫後速やかに速効性肥料を窒素成分で10aあたり10kg程度施用しましょう。
また、気温の高い日を選び、尿素の500倍を7~10日間隔で3回程度葉面散布しましょう。
防寒対策
果実は氷点下で一定時間経過すると、ス上がりなどが発生します。品種や園地条件によって寒害の発生する度合いは違いますが、寒害の恐れがある園地では袋かけ等の防寒対策を行いましょう。
なお、寒害を受けやすい園地や冬季に強風を受けやすい園地では、旧葉の落葉や春先に枝枯れが発生する恐れがあります。樹全体を不織布や防風網等で被覆するなどの対策を行いましょう。
みかんの予措・貯蔵
今年は、台風や秋雨の影響で果実内の水分量が多く、腐敗果が発生しやすい状態です。
予措を実施することにより、果皮を乾燥させると、果肉から果皮への水分移行が減少し、浮皮や腐敗を抑える効果があります。
収穫直後の果実は呼吸量が多いため、コンテナに多く詰めると十分に予措ができない恐れがあるため、コンテナの7~8分目程度までに抑え、コンテナ同士の間隔も20cm程度間隔を空けるようにしましょう。また、コンテナ複数個を団積みする場合、一番下のコンテナは十分に予措できない恐れがあるので注意しましょう。
予措終了後は腐敗果があれば取り除き、コンテナの間隔を無くして貯蔵を行いますが、予措戻りが心配されるので風通しが良く、昼夜の温度差が少ない場所で貯蔵する事が望ましいでしょう。
◆コンテナ貯蔵の注意点