今月の農作業(8月)柑橘

JAありだ営農指導課

水分管理

■高品質生産(早生みかん)
 高品質なみかんを作っていくうえで、7月からの水分管理が重要なポイントとなってきます。図1を参考に時期別に合わせた水分管理を行い、高品質なみかん作りを目指しましょう。

第Ⅰ期

(7月中旬〜8月中旬)新梢が緑化し旧葉とともに光合成産物(糖分)を盛んに果実に送り込む時期です。この時期に乾燥させることで初期の糖度を高めることができます。ただし過度の乾燥は光合成能力を弱め表層の細根を枯らし品質の悪化や樹勢低下を招くため、樹の状態を観察しながら、明け方に葉が巻いている状態であれば1回につき10アール当たり10ミリ程度かん水を行いましょう。

第Ⅱ期

(8月下旬〜9月中旬)この時期は果実が急速に肥大し、クエン酸の分解が始まるので酸度が急減します。この時期に樹を乾燥させると果実肥大が鈍り、クエン酸の分解が進まないため収穫期に小玉・酸高の原因となります。明け方に葉が巻いている状態であれば1回につき10アール当たり20ミリ程度かん水を行いましょう。

第Ⅲ期

(9月下旬以降)果実の成熟とともに糖度が高まり、果実肥大と減酸が緩やかに進み、葉で光合成された糖分が果実に送り込まれる時期です。さらに水分ストレスをかけて、増糖効果を高めましょう。

摘果について

日焼け果から考えられること

7月に入り、本格的な摘果シーズンが始まりました。この時期になると日焼け果をみかけることが多いと思いますが、日焼け果の発生には、着果量の差が大きな影響を及ぼしています。

日焼け果が発生しやすいのは着果量が少ない樹で、着果量の多い樹では発生しにくい傾向があります。これは、着果量が少ないことで果実1個あたりに分配される養水分の量が多く、果梗枝が太く上向きの果実になり、そこへ強い日差しが当たることで日焼け果が発生しているのです。上向きの果実(図1)に日焼け果の被害が多いのはこのためで、果実が下垂した状態では発生しません。また、上向きの果実のように日光を多く浴びている果実は、そうでない果実に比べ生育(老化)が進み「傷みやすい果実」となり、健全果に比べ酸度が1%程度低く、収穫時に浮皮や果皮障害が発生、過熟した果実が多い傾向ですので、果実を下垂させる摘果管理を実施することが重要です。仕事の段取りなどを優先し、粗摘果中心に表面の果実を落としすぎると果実を下垂させるための「重り」が少なくなり果実は上を向いた状態になることから日焼け果や浮皮などの発生が増加すると考えられますので、粗摘果ではスソ・フトコロを中心に行い、表面の果実は仕上げ摘果で落として下さい。そうすることで果実は下垂し、葉裏に入ることでそれらの障害は発生しにくくなります(図2)。毎年行っている摘果が知らないうちに日焼けや浮皮などの発生を増加させているのかもしれません。年々変化していく気象の中で段取りだけを考えた早期摘果では様々な弊害が生じます。これらに対応するためには「摘果のタイミングを考える」ことがポイントになります。

病害虫防除

※薬剤・倍数は「2019年柑橘防除基準」を参考にしてください。

■黒点病
 前回散布からの積算降水量が200から250ミリを超えた場合や、20日を経過すると防除効果が劣りますので、これらを目安に再散布を行って下さい。週間予報を活用し、計画的に防除を行いましょう。

■チャノキイロアザミウマ
 マキやサンゴ樹などの防風樹のある園や、夏秋梢が多発する園、高温・乾燥が続いていると発生が心配されます。発生が多くなってくる時期ですので十分注意して下さい。

■ゴマダラカミキリ
 羽化した成虫は、一週間程度枝を食害します。その後、樹の株元に産卵を開始します。幼虫は樹体内部を食害し越冬します。樹冠内部だけでなく幹にもしっかり散布しましょう。

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