今月の農作業(5月)柑橘・キウイフルーツ・水稲・柿・山椒
JAありだ営農指導課
柑橘
病害虫防除
本格的な防除シーズンに入ります。適期防除に努めましょう。『みんなが散布しているから、なんとなく散布する』のでは無く、自園の樹をよく観察し、薬剤および散布時期を決定して下さい。
●かいよう病
近年発生が目立ちます。特に若木や中晩柑類園での発生には気を付けて下さい。防除のタイミングは新芽への感染を防ぐため、発芽直後と5月下旬(自己摘芯後)の散布となります。
●ケムシ(クワゴマダラヒトリ)
近年発生が多くみられ、暖冬になると越冬個体が多くなり新芽や花芽を食害されます。特に山際の園地は注意して下さい。短期間で食害される事があるのでこまめな観察が重要です。
●ゴマダラカミキリ
近年カミキリムシの被害が多くなっています。暖かい地域では5月下旬から成虫が見られます。5月~7月までは重点防除期間となりますので適期防除に努めて下さい。
●アブラムシ類・ハモグリガ類
新梢に加害されるので発生には気を付けて下さい。苗木は特に大事な芽になるので防除して下さい。
着果・新梢管理
着花(果)過多樹では摘蕾や主枝別全摘果を行い、新芽を発生させて下さい。摘果剤の利用による対策もあります。
※摘果剤は、みかん成木ではフィガロン乳剤、苗木や中晩柑ではターム水溶剤の使い分けを勧めます。着花(果)極少樹では芽かき(花の近くにある芽の除去)や花にかぶさる枝を切除して生理落果軽減に努めて下さい。
苗木の管理
2年目の苗木でベタ花になった場合は全部摘蕾するのではなく、フトコロと主枝先端に少し花を残しておきましょう。フトコロの花は収穫時期まで生らせておき、株を太くするのと翌年の花芽抑制させて下さい。主枝の先端の花は、花梗枝に白筋が入る時期(6月頃)にハサミで切り落とすことにより、強い芽が発生しやすくなります。手で摘果するとヘタの部分が残り芽数は多くなってしまいます。発生した芽は葉が8枚程度で摘芯して、芽数を減らす芽かきを行います。主枝が倒れないように誘引して立てて下さい。樹形の乱れは2年目から始まりますので確認して下さい。
キウイフルーツ
人口受粉
開花後、3日間は受粉能力があります。受粉期間中に雨天に遭うこともありますので、粉末受粉か液体受粉のどちらかで選択して下さい。液体受粉については作業効率の良さと少雨でも実施できる利点もありますが、外気温の影響を受けやすく、15℃を下回りますと受粉不良になりやすいので注意して下さい。(表1)
水稲
苗作りについて
田植えの時期が近くなってきました。昔から「苗半作」と言われる様に苗作りは米作りの基本であり、健全な苗の育成が条件です。健全な苗とは、〔病気にかかっていない〕〔根がしっかり張っている〕〔茎が太く背が低くしっかりした〕〔よく揃った〕もの等が挙げられます。1箱当たりの種子量は200gです。
種子消毒について
種子消毒の実施
●薬剤
・テクリードCフロアブル … 200倍
・スミチオン乳剤 … 1,000倍
※尚、手順については防除暦をご覧下さい。
基肥について
田植え前に施用して下さい。
●早生系
・エムコート522 … 40~50kg
●中生系
・セラコートRワン … 60kg
※有機配合型栽培については、水稲防除暦(山間部)を参考にして下さい。
箱処理剤について
箱処理剤の散布は、移植3日前から移植当日に散布して下さい。
・ビルダーフェルテラチェスGY粒剤 … 50g/箱
除草剤について
●代かき後~移植7日前
・サキドリEW … 500ml/10a
●移植直後から30日まで
・ウィナーLジャンボ … 500g/10a
・キマリテ1キロ粒剤 … 1kg/10a
・カチボシLジャンボ … 300g/10a
※上記の内、いずれかを散布して下さい。
スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)対策
ジャンボタニシの食害を防ぐには、田植え後から硬化するまでが重要です。
・スクミノン … 1~4kg/10a
柿
摘蕾
発芽期から開花期までは、必要な養分のほとんどを前年樹体に蓄えた養分で成長します。摘蕾は、貯蔵養分の浪費を防ぎ、残った蕾に養分を集中させ、開花後1カ月の間に細胞分裂を盛んにすることにより、果実肥大の促進を図る重要な作業です。摘蕾は、1結果枝に1蕾を残すことが基本で、5葉以下の結果枝は蕾を全て取り除きます。また、頂芽の蕾は肥大が劣るので取り除きます。残す蕾は結果枝中央付近の下向きもしくは横向きで、ヘタの大きな緑色の濃いものにします。なお、遅れ花(2番花)は全て摘蕾します。柿は、萌芽力が強く、不定芽(陰芽)から突発枝が発生することが多い傾向です。日当たりを悪くし、樹相を乱したりするおそれのある新梢は早めに芽かきし、貯蔵養分の浪費を防止しましょう。
山椒
実山椒収穫
実山椒の収穫適期は、果実がマッチの先端部の大きさに達し、濃い緑色となり、果皮をむいてみて種が白い時期です。その期間は約10日間と短く、種が茶色くなってくると生果用には適しません。また非常にデリケートで、雨天に収穫して蒸れたり、収穫時に果実を強く握ってしまうと、褐変し品質低下を招きます。褐変は箱詰めの時はわからなくても、出荷後に起こることもあるので細心の注意を払いながら収穫しましょう。
農薬散布
●実山椒完全収穫後1回目
(5月)
・コテツフロアブル … 4,000倍 7日/2回
・ストロビードライフロアブル … 2,000倍 14日/2回
・ダニエモンフロアブル … 4,000倍 21日/1回
・アビオンE … 1,000倍
実山椒完全収穫後2回目
●実山椒完全収穫後2回目
(6月)
・モスピラン顆粒水溶剤 … 4,000倍 7日/1回
・ストロビードライフロアブル … 2,000倍 14日/2回
・アタックオイル … 150倍 5~10月
※乾燥山椒を収穫する場合は収穫前日数を十分確認して散布して下さい。
※農薬散布に関しては使用方法を遵守し、飛散や流出には十分注意して使用して下さい。