今月の農作業(7月)柑橘・山椒・水稲・梅・柿
JAありだ営農指導課
柑橘
摘果について
摘果作業は果実の大きさ、果実内容、外観だけでなく翌年の花芽にも大きな影響を与え、連年結果させる重要な作業となります。摘果には粗摘果・仕上摘果・樹上選別があります。摘果量の目安は通常着果の樹で粗摘果は全摘果量の20~30%、仕上摘果は70~80%程度です。着果量が極端な場合、摘果割合は変わってきます。
摘果の順番は中晩柑⇒極早生みかん⇒早生みかん⇒普通みかんとなります。着果量の多い園地から摘果して下さい。
収穫時に葉が20~25枚に1個の果実の割合に着果させることが重要となります。この葉果比を守っていれば極端な隔年結果は抑えられます。
粗摘果
着果量の少ない樹は、粗摘果は控えて、仕上摘果や樹上選別に重点をおいて下さい。
着果量の多い樹は、7月上中旬からスソ・フトコロを重点に粗摘果を始めて下さい。(図1)特に日当たりが悪く緑が薄い果実は収穫時には紅が薄く内容の悪いみかんとなるので摘果して下さい。(図2)表面の果実は基本的に仕上摘果で摘果します。粗摘果で表面まで摘果すると夏芽が発生する事や果実数が少なくなり『重り』が少なくなり果実が垂れ下がらなくなる恐れがあります。仕上摘果時期に果実を垂れ下げないと浮皮果や過熟といった果皮障害のリスクが上がるうえ、水分が上がり過ぎるため果実品質も悪くなってしまいます。
粗摘果と隔年結果について
粗摘果を早期に重点的に行ってしまうと仕上摘果の時期には果実が大きくなり過ぎてしまい、それ以降の摘果が難しくなる事や、秋季の高温多雨により肥大が進み収量が多くなりすぎてしまい、逆に隔年結果を引き起こす要因となります。収穫期に適正着果量になるよう、徐々に摘果して下さい。
病害虫防除
●黒点病
感染源となる枯れ枝は、摘果の際に見つけ次第切除しましょう。日当たりが悪い園地など乾きにくい場合は感染の機会が多くなりますので、薬剤散布時には固着性の展着剤を加用する等の対策をとって下さい。
●ゴマダラカミキリ
近年カミキリの被害樹が多く、積極的な対策を実施する必要があります。本年の防除基準は、それに対応した薬剤で構成されていますので、被害が多い園地では参考に防除を実施して下さい。幼虫は樹体内で越冬し、成虫は6月中旬頃から発生が確認されます。成虫は1週間程度枝を食害して株元に産卵します。薬剤散布は幹にもしっかり散布して下さい。また7月中下旬には株元散布を行いましょう。
●チャノキイロアザミウマ
マキ等の防風樹や柑橘の新梢へ飛来し、果実に加害します。6月と8月は被害が多くなりますので注意して下さい。
山椒
乾燥山椒収穫
乾燥山椒の収穫時期は、7月~8月の2か月間です。実山椒同様、非常にデリケートで、雨天に収穫して蒸れたり、収穫時に果実を強く握ると、褐変し品質低下を招きます。また、昆虫類やカエル等の爬虫類が乾燥時に混同してしまう事も多いので、異物混入には十分注意して作業を行って下さい。乾燥機を使用する場合は、必ず事前に作動するか確認しておきましょう。エビラについても、糸がちぎれた場合に異物混入となる為、不備がないか確認しておいて下さい。
追肥
7月に有機入化成A23号を10aあたり70kg施用して下さい。
※8月中旬以降の追肥については、さび病で落葉し葉が少なくなっている場合は施用を控えて下さい。秋芽を助長する原因となります。
病害虫防除
乾燥山椒完全収穫後の農薬散布
※農薬散布に関しては使用方法を遵守し、飛散や流出には十分注意して使用して下さい。
水稲
中干し
中干しは、下記理由のために行います。
・無効分けつを抑え、適正な穂数にする
・倒伏を軽減する
・土壌に酸素を供給し、根を健全に保つ
【時期】
7月中下旬(穂数が20~25本を目安)に地面に亀裂が生じる程度行って下さい。
防除
●6月下旬~7月上旬(箱処理剤を使用していない場合)
・ウンカ類・ツマグロヨコバイ
トレボンEW … 1000倍 〔使用基準 14日/3回〕 または、
パダンバッサ粒 … 3~4kg /10a 〔使用基準 30日/5回〕
・いもち病
ブラシンフロアブル … 1000倍 〔使用基準 7日/2回〕
●7月中下旬
・コブノメイガ・ウンカ類ツマグロヨコバイ
トレボンEW … 1000倍 〔使用基準 14日/3回〕
・紋枯病の発生園
バシタックゾル … 1000倍 〔使用基準 14日/3回〕
・いもち病
ダブルカットフロアブル … 1000倍 〔使用基準 穂揃期まで/2回〕
【粒剤体系の場合】
イモチエーススタークル粒剤 … 3kg/10a 〔使用基準 35日/1回〕
梅
防除
●7月上旬~中旬
・カイガラムシ類
スプラサイド乳剤40 … 1500倍 〔使用基準 14日/2回〕
柿
仕上げ摘果
病害虫被害果や、傷果、奇形果等よく確認し、刀根早生柿・平核無柿は葉数20枚に1果を目安に摘果しましょう。
夏季剪定
日当たりを悪くしている徒長枝や下垂枝を剪定し、小玉果・着色不良果・病害虫被害果を軽減しましょう。
防除
●7月中旬
・落葉病・炭疽病
スコア顆粒水和剤 … 3000倍 〔使用基準 前日/3回〕
・カキクダアザミウマ
スプラサイド水和剤 … 1500倍 〔使用基準 30日/3回〕