今月の農作業(9月)柑橘・水稲
JAありだ営農指導課
柑橘
仕上摘果について
早期の粗摘果で摘果し過ぎるのではなく、後期まで着果負担をかけ、仕上摘果以降でしっかり適正着果量まで摘果することが出来れば、今年の果実品質を上げることができる上、翌年以降の着花が安定するようになります。最も重要な作業なので手を抜かず行いましょう。
適正着果量は葉果比20~25枚に1果となります。と言ってもなかなかイメージがピンと来ないのが仕上摘果の難しい所です。適正着果量葉果比24:1に仕上げた樹の写真を載せておくので参考にして下さい。(図1) 見た目では着果数がかなり少なく感じると思いますが、早期から摘果はせずに、着果負担をかけたことで果実が垂れ下がり葉に隠れています。
逆に早期から摘果をしっかりした樹では、着果負担がかかっていないことから果実品質は低く、大玉果であったり、果実が上を向き葉に隠れていないことから日焼け果が多く発生する傾向があります。また、早期に摘果しすぎると、仕上げ摘果時点で十分な大きさまで仕上がってしまうことが多くなっています。そうなると「肥大しすぎるのではないか?」や「これ以上摘果するのはもったいない。」という思いから収穫時点で十分に摘果できず、結果的に着果量が多くなってしまい、翌年の少着花につながり隔年結果を助長します。
図1適正着果量樹見本
仕上摘果方法
スソ・フトコロの果実(緑色の薄い果実)は低品質です。粗摘果で摘果済だとは思いますが、見落としがあれば摘果して下さい。樹の表面の果実は果皮が滑らかになってから摘果を始めて下さい。小玉果は大玉化に比べ養分があまり供給されず、ポテンシャルの低い果実ですので小玉果を摘果して下さい。あとは傷果、病害虫被害果、腰高果等を摘果して下さい。結果母枝の基部に近い果実は品質が上がりにくい傾向があるので摘果して下さい。
果実同士が接触しないように摘果すると着色ムラが少なく品質の高い果実に仕上げることができます。(図2) また、着色期に多く加害されるハナアザミウマの加害予防に繋がります。
図2 仕上げ摘果方法
浮皮軽減対策
浮皮は果肉と果皮の間に空間が発生する生理障害です。近年夏季の高温で熟期が前進することや、秋季の高温多湿により浮皮の発生は多くなっている傾向です。浮皮が発生しやすい園地や品種は対策を行なって下さい。
9月上中旬にジベレリン協和液剤1~3.3ppm(5,000~1,500倍)にジャスモメート液剤2,000倍を加用し、浮皮になりやすい表面の果実のみ散布して下さい。なお散布方法によって着色遅延を伴う場合があります。
水稲
収穫について
稲刈りの時期がやってきました。収穫の目安は、出穂から40日です(品種及び気候等により日数の変動があります)。例えば、8月上旬に出穂の園地では、9月中下旬が収穫期となります。収穫量の目安は、10a当たり480kgです。
乾燥について
収穫した米は乾燥させます。機械乾燥の場合は、乾燥速度を時間あたり0.5%までとして下さい。急速な乾燥は胴われの原因となります。また米を出荷する方は、水分量は15%までとして下さい。水分の高い場合は、検査を受けられません。