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今月の農作業(7月)柑橘・水稲・山椒

更新:2022年7月13日

柑橘

摘果

摘果作業は、着果量を適正(葉果比20~25枚)にすることで隔年結果の防 8止や果実肥大を促進します。また、果実の外観や果実内容に大きな影響を与えます。それぞれ着果状態に応じた摘果を行ってください。

摘果には粗摘果と仕上げ摘果、樹上選別があります。摘果量の目安は粗摘果で20~30%、仕上げ摘果で70~80%となります。最後に行う樹上選別で摘果出来なかった日焼け果や大玉果等を落とします。

一度で適正着果量に近づけるのではなく、徐々に適正着果量に近づけていく事が重要になります。早期摘果を行うと、段取りは良いものの、果実が夏場の干ばつや秋期の多雨等の影響を受けやすく、品質の低下等を招きます。品質の良い果実を生産するためにも摘果の方法やタイミングは非常に重要となります。

粗摘果

着果の少ない樹は粗摘果を控えめにし、仕上げ摘果に重点を置いてください。着果量が多い樹は2次生理落果終了後の7月上中旬から粗摘果を始めて樹の表面の果実は、この時点で外観の良し悪しの判断は出来ますが、果実の内容を判断する事は非常に難しいです。品質の上がる可能性がある表面の果実はさわらず、まずは確実に品質が向上し難い、スソやフトコロの果実を徹底して摘果してください。樹幹内部の果実は日当たりが悪く、薄い緑色をしているので色で判断すると分かりやすいです。

高品質なみかんを生産するためには果実を下垂させることが重要となってきます。早い段階で表面の果実を落とし過ぎると果実を下垂させるおもりが少なくなるとともに、果梗枝が太くなることで果実が下垂しにくい状態となります。この状態では着果ストレスがかからず、果実が大玉になったり、糖度の上昇しにくくなったりします。また、夏場の強い日差しや降雨から果実を守るための葉がない状態になり、浮皮やクラッキングというような果皮障害の発生リスクが高まります。日当たりが良いほど良いみかんができるイメージがありますが、当たりすぎるのも良くないです。最初は日光に良く当たり、仕上げ摘果を行う時点で果実が下垂し、葉裏に隠れるような状態が良い状態です。

病害虫防除

黒点病

黒点病の菌は、枯れ枝などに潜んでおり、気温の上昇と降雨によって急激に増殖する性質があり、梅雨等の長雨が続く時期に特に発生が多くなります。前回の散布から累計雨量が200~250mmを超えた場合や、20日経過した場合は効果が劣り、再散布が必要となります。特に近年は気候が読みにくくなってきているため、天候に合わせて柔軟に対応し、必要ならば散布時期を早めることや再散布を行うことが重要となってきています。

チャノキイロアザミウマ

マキやサンゴ樹などの防風樹や柑橘樹の新梢に飛来し、果実へ被害を及ぼします。6月中下旬頃から果実への加害が多くなる傾向にあります。営農センター等の発生予察情報・一斉防除情報を参考に防除を行いましょう。

ゴマダラカミキリ

幼虫は樹体内で越冬し、成虫は一般的に6月中旬頃から発生します。羽化した成虫は一週間程度枝を食害し、その後、樹の株元に産卵します。樹幹内部および、幹にもしっかり散布を行いましょう。

ミカンサビダニ

発生が早い園地では6月中下旬頃から加害を始めます。昨年発生が見られた園地では、今年も発生する可能性が高いので予防的な防除が必要です。

灌水

梅雨時期に降雨が少ない場合は、かん水を行いましょう。この時期の水不足は、初期肥大に影響し、8月以降の乾燥時期に樹勢を保つためには重要です。

除草

梅雨明け後に、雑草との養分や水分の競合を防ぐために園内の除草を行ってください。

水稲

移植後の管理について

中干し

中干しは、(1)無効分けつを抑え、適正な穂数にする。(2)倒伏を軽減する。(3)土壌に酸素を供給し、根を健全に保つために行います。7月中旬頃(穂数が20~25本を目安)に地面に亀裂が生じる程度行ってください。

水管理

出穂期の水管理は、重要です。7月以降は定期的に新しい水を入れ、根に酸素を供給できるよう心掛けてください。また、高温障害対策(心白米などの未熟粒)で水温が上がりすぎないようにするために、幼穂形成期から登熟期までは間断かんがいを実施してください。詳しくは、防除暦の水管理表を参照してください。

防除

【6月下旬〜7月上旬(箱処理剤を使用していない場合)】

  • ウンカ類・ツマグロヨコバイ
    トレボンEW・・・1,000倍〔使用基準14日/3回〕
    または、パダンバッサ粒・・・3~4kg/10a〔使用基準30日/5回〕
  • いもち病
    ブラシンフロアブル・・・1,000倍〔使用基準7日/2回〕

【7月中下旬】

  • コブノメイガ・ウンカ類・ツマグロヨコバイ
    トレボンEW・・・1,000倍〔使用基準14日/3回〕
  • いもち病
    ダブルカットフロアブル・・・1,000倍〔使用基準穂揃期まで/2回〕
  • 紋枯病の発生園
    バシタックゾル・・・1,000倍〔使用基準14日/3回〕

※粒剤体系の場合
イモチエーススタークル粒剤・・・3kg/10a〔使用基準35日前/1回〕

尚、山間部の防除は防除暦をご覧下さい。

【8月上中旬(穂がうつむき始めた頃)】

  • カメムシ類(ウンカ類・ツマグロヨコバイ)
    スタークル顆粒水溶剤・・・2,000倍(3,000倍)〔使用基準7日/3回〕
  • 紋枯病の発生園
    バリダシン液剤・・・1,000倍〔使用基準収穫14日/5回〕

※粒剤体系の場合
スタークル粒剤・・・3kg/10a〔7日/3回〕

山椒

乾燥山椒収穫

乾燥山椒の収穫時期は、7月~8月の2か月間です。実山椒同様、非常にデリケートで、雨天に収穫した場合の蒸れや、収穫時に果実を強く握ったことにより褐変し品質低下を招きます。また、昆虫類やカエル等の爬虫類が乾燥時に混入してしまう事も多いので、異物混入には十分注意して作業を行ってください。乾燥機を使用する場合は、必ず事前に作動するか確認しておきましょう。エビラについても、糸がちぎため、不備がないか確認しておいてください。

追肥

追肥7月に有機入化成A23号を10aあたり70kg施用してください。
※8月中旬以降の追肥については、さび病で落葉し葉が少なくなっている場合は施用を控えてください。秋芽を助長する原因となります。

乾燥山椒完全収穫後の農薬散布

  • 乾燥山椒完全収穫後1回目
    ペンコゼブ水和剤・・・600倍〔最終収穫後〜落葉樹まで/3回〕
    サンマイト水和剤・・・3,000倍〔収穫後/1回〕
    アビオンE・・・1,000倍〔-/-〕
  • 乾燥山椒完全収穫後2回目
    ペンコゼブ水和剤・・・600倍〔最終収穫後〜落葉樹まで/3回〕
    アビオンE・・・1,000倍〔-/-〕

※農薬散布に関しては使用方法を遵守し、飛散や流出には十分注意して使用してください。