今月の農作業(6月)柑橘・キウイフルーツ・梅・柿
更新:2022年7月13日
柑橘
5月~6月にかけて気温や湿度が上昇し、病害虫の発生が多くなってきます。病害虫防除が重要となりますので、主要病害中の生態や発生時期を考慮して適期防除・効果的な薬剤を散布してください。
6月の農作業
防除については、農薬使用基準を守り、安心安全な農産物生産に努めましょう。
黒点病
長期間にわたり感染する可能性があり、定期的に防除することが重要になります。
黒点病の主な感染源は枯れ枝です。耕種的な防除として、枯れ枝を除去することが大切です。薬剤散布後に、積算降水量が250mm程度、又は20日~25日を超えると効果は低下し、黒点病の感染リスクは高まります。状況に合わせて柔軟に対応しましょう。
病害虫防除
カイガラムシ類
- ヤノネカイガラムシ
第1世代の1齢幼虫は5月中旬頃から発生し、5月下旬頃に最盛期を迎えます。この時期に、トランスフォームフロアブル2,000倍やモベントフロアブル2,000倍を散布しましょう。夏季に第2世代、秋季に第3世代が発生することで生育ステージにバラつきが生じ、防除を困難にしています。年間を通じて対策を実施しましょう。 - イセリヤカイガラムシ(コナカイガラムシ類)
ススの発生原因となっており、近年増加傾向に 5月下旬頃から発生しますので、アプロード水和剤1,000倍を散布しましょう。また、葉裏の薬剤がかかりにくい場所に群集しているので、手散布で丁寧に防除しましょう。 - アカマルカイガラムシ
近年、発生が増加しています。第1世代の1齢幼虫は、発生期間が非常に長く、5月下旬頃から発生しはじめますので、モベントフロアブル2,000倍を散布しましょう。第2世代以降は7月中旬頃から発生しはじめ、気温の下がってくる10月中下旬頃まで発生が確認されています。発生園では冬季、春季にマシン油を行うことが有効です。
チャノキイロアザミウマ
マキ・サンゴ樹等の防風樹や柑橘樹の新梢へ飛来し、果実へ被害を及ぼします。近年では、温暖化の影響で5月の満開時にも発生がみられます。毎年被害が多い園地では、早い時期の発生に注意しましょう。5月下旬頃の防除には、ダントツ水溶剤2,000倍を使用することでゴマダラカミキリと同時防除できます。
かん水
5月~6月頃は、発根時期となります。乾燥状態が続くと発根時期が遅れたり、十分な発根量が確保できないなど、今後の生育に大きな影響を及ぼします。おいしいみかん作りを行うためには、水分を十分与え、適正な時期に発根させることが重要なポイントになります。梅雨に入るまでの乾燥はもちろんですが、近年は梅雨に入ってからも十分な雨がないこともあるので注意しましょう。
キウイフルーツ
果実肥大促進
- ホルモン剤
フルメット液剤10ml - 処理時期
満開後20~30日 - 使用濃度
500倍~800倍加用、展着剤5000倍 - 処理方法
浸漬処理、または、肩掛け散布 - 注意点としては、処理時期が早い場合だと肥大は良いが奇形果は多くなる。処理時期が遅くなると、奇形果少ないが肥大は弱くなります。
摘果
昨年は、花腐れと低温により着果は少なかったですが、今年は平年並みの着果を予想しています。一回目は、奇形果・小玉果を中心に摘果します。着果具合によって調整してください。二回目は小玉、傷果などの見残し果を摘果してください。着果量25~30果/m2が最終の目安です。
病害虫防除
昨年は、花腐れと低温により着果は少なかったですが、今年は平年並みの着果を予想しています。一回目は、奇形果・小玉果を中心に摘果します。着果具合によって調整してください。二回目は小玉、傷果などの見残し果を摘果してください。着果量25~30果/m2が最終の目安です。
- 果実軟腐病
6月上旬 アリエッティ水和剤・・・600倍
7月上旬 トップジンM水和剤・・・1,000倍 - キイロマイコガ
6月上旬 フェニックスFL・・・4,000倍 - クワシロカイガラムシ
7月上旬 コルト顆粒水和剤・・・3,000倍
柿
果実肥大期に入ります。摘果やはく皮時期となります。
摘果
果実肥大の促進・果実品質向上・翌年の花芽分化の促進です。
奇形果や傷果・小玉果を優先的に摘果しましょう。また、上向果は日焼果になりやすいので摘果しましょう。
防除
【6月上旬(幼果期)】
- うどんこ病・落葉病・炭疽病
キノンドーフロアブル・・・800倍 - カキノヘタムシガ・カメムシ類
スタークル顆粒水溶剤・・・2,000倍
【6月中下旬 (生理落果期)】
- 落葉病・炭疽病
ジマンダイセン水和剤・・・600倍 - フジコナカイガラムシ・チャノキイロアザミウマ
コルト顆粒水和剤・・・3,000倍