今月の農作業(5月)柑橘・水稲・キウイフルーツ
更新:2022年4月28日
柑橘
水管理
昨年秋から乾燥状態が続いています。近年では5月頃の降雨量が少ない傾向がありますので、10日程度乾燥が続くようであれば灌水を行いましょう。
乾燥が続いた場合、樹体への負担が大きいことに加えて、果実の生理落果にも影響します。
農薬散布時のポイント
「2022年柑橘類防除基準」を参考にし、病害虫の発生状況・気象環境を考慮した上で防除を行ってください。
※本格的な薬剤散布時は、対象農薬の使用基準を守り、隣接する住宅や園地などに薬剤が飛散しないように配慮するとともに薬剤が河川などに流出しないよう十分注意してください。
- 効果のある薬剤を用いていますか?
殺虫剤といってもすべての害虫に効果を発揮する薬剤はありません。対象の病害虫に登録のある農薬で、なおかつ効果のある倍数で防除を行ってください。
また登録の範囲を必ず守って散布してください。 - 防除のタイミングは適正ですか?
害虫に関しては、対象の害虫が存在し、かつ効果あるタイミングで散布する必要があります。また、病気に関しては、予防が基本となります。 - 農薬の混用は合っていますか?
農薬を混ぜる順番は溶けやすいものから入れることが基本となります。農薬の混用順を「テニス」とすることで簡単に覚えることができます。
新梢・着果管理
着花量が多く、新梢が不足している樹は、摘蕾で発芽の促進や新梢の充実、樹勢の維持を図りましょう。
着花が少ない樹は、新梢が多く発生することで生理落果を助長します。花(果実)に被さっている新梢は、切除や芽かきを行いましょう。
- 摘果剤の利用
摘果には摘果剤を利用すると省力的です。摘果剤を利用する際は、必ず満開期を把握しましょう。生理落果開始前後で夜温が上昇するタイミングで散布すると効果が高まります。 - フィガロン乳剤
全摘果では、満開10~20日後、間引き摘果では満開20~50日後に葉先から薬液が滴り落ちる程度に散布しましょう。なお、樹勢低下を招く恐れがあるので、樹勢が弱い樹や幼木には使用しないようにしましょう。 - ターム水溶剤
満開10~20日後にスソ・フトコロを中心に散布しましょう。なお、落葉および、浮皮発生の事例がありますので注意しましょう。
※両剤ともにボルドー液などのアルカリ性剤との接近散布は避けてください。
幼木の管理
幼木を効率的に大きく成長させるために花を上手く利用しましょう。主枝や亜主枝の先端の花やフトコロ近辺の花を残し、それ以外の花を全摘蕾することで樹体養分の循環を促します。
すべての花を摘蕾してしまうと樹勢の低下や養分の循環が悪くなり、発生した春芽が弱くなってしまいます。
先端に残した果実は6月上旬ごろに摘果を行い強い夏芽の発生を促してください。フトコロ付近に残した果実は収穫時まで着果させて切り落としてください。
水稲
種子消毒について
種子消毒の実施
【薬剤】
- テクリードCフロアブル・・・200倍
- スミチオン乳剤・・・1,000倍
※なお、手順については防除暦をご覧ください。
苗づくり
田植えの時期が近くなってきました。昔から「苗半作」といわれるように苗作りは米作りの基本であり、健全な苗の育成が条件です。
播種時および発芽後の防除
【苗立枯病】
タチガレン液剤 1,000倍500ml/箱
基肥について
田植え前に施用してください。
- 早生系
エムコート522・・・40~50kg - 中生系
セラコートRワン・・・60kg
※有機配合型栽培については、水稲防除暦(山間部)をご覧ください。
箱処理剤について
箱処理剤の散布は、移植3日前から移植当日に散布してください。
スクラム箱粒剤・・・50g/箱
除草剤について
代かき後~移植7日前
- サキドリEW・・・500ml/100a
移植直後から30日まで
- ウィナーLジャンボ・・・500g/10a
- カチボシLジャンボ・・・300g/10a
- エンペラージャンボ・・・250g/10a
- キマリテ1キロ粒剤・・・1kg/10a
※いずれか1剤を散布してください。
スクミリンゴガイ
ジャンボタニシの食害を防ぐには、田植え後から硬化するまでが重要です。
- スクミノン・・・1~4kg/10a
キウイフルーツ
人工授粉
開花後、3日間は受粉能力があります。人工授粉としては、粉末受粉の方が多いですが、最近は液体受粉の作業効率の良さと少雨でも実施できる利点があり、液体受粉の方が増えています。注意点としては外気温の影響を受けやすく、15℃を下回りますと受粉不良になりますので気を付けてください。(表1)