今月の農作業(9月)柑橘・水稲
更新:2022年9月1日
柑橘
仕上げ摘果
仕上げ摘果の目的は、着果量を適正にし、隔年結果防止や階級の調整、果実品質の向上です。摘果量が足りなければ果実肥大が劣ったり、品質が低下したり、着色不良や低下したり、着色不良や隔年結果を招きます。
摘果方法
粗摘果でスソ・フトコロを重点的に落としていれば、表面の果実は肥大が進み、果実重によって枝が下垂し、果皮が滑らかになります。この状態になってから仕上げ摘果を開始しましょう。この時期になると果実の大きさや品質の良し悪しがはっきり見極められるので、落とす果実が分かりやすくなります。基本的に小玉果や病害虫被害果などを落として仕上げてください。着果量にはバラつきがありますので、樹の状態に合わせて摘果のタイミングを変えることが重要となります。着果量の多い樹から優先的に行い、少ない樹は後回しにしてください。高品質に仕上げるためには、樹に着果ストレスをかけることが重要となります。
果実の重さで枝が下垂し、果実がぶら下がることで糖度が上昇します。薄なりの樹では、着果量が少ないため下垂し難く、ストレスがかかりにくい状態です。無理に摘果すると夏秋梢が発生し、品質低下につながりますので、摘果のタイミングを調整してください。また、日焼け果、天成果については、秋芽の発 10月以降に樹上選別で除去してください。
仕上げ摘果で落とす果実
スソ・フトコロの見落とし果
粗摘果の解説の時にも書きましたが、スソやフトコロといった場所の果実は、日当たりが悪く、高品質な果実に仕上がりにくい部位となります。残っている果実がある場合は摘果してください。
傷果・病害虫果
風擦れ果や黒点病被害果など、外傷や病斑のある果実は、商品価値が低いので仕上げ摘果で落としてください。
上向きの果実(枝が下降した際、上向きになっているもの)
枝が下垂した際に上向きになっている果実は、果梗枝が太く果実品質が上がりにくいとともに天候の影響を受けやすいため、果皮障害が発生しやすくなります。
小玉果
小さい果実は、大きい果実に比べ、供給される養分が少なくなります。また、先端の果実ほど品質は上がりやすいですが、小玉果も多くなります。先端が小玉になっている場合、次に肥大の良い果実を使いましょう。
浮川軽減対策
浮川は、果実と果皮の間に空間が生じて発生する生理障害です。着果過多や高温多雨によって発生が助長されます。
また、早期に摘果し過ぎた場合、果梗枝が太くなるため果実が水分の影響を受けやすくなり、浮川が発生しやすくなります。
薬剤による対策としては、ジベレリン協和液剤1~5ppm(5000~1000倍)にジャスモメート液剤2000倍を加用してください。早生では9月上旬、中生では9月中旬頃散布してください。なお、ジベレリン散布によって着果遅延を伴う場合がありますので注意してください。
防除
チャノキイロアザミウマ
マキやサンゴ樹などの防風樹のある園地や、夏秋梢が多く発生している園地では注意が必要です。
ミカンハダニ
着色期に加害されると着色不良につながりますので、発生に応じて防除してください。薬剤はダニゲッターフロアブル2000倍を散布してください。
カメムシ類
ヒノキ、スギから柑橘園へ飛来し吸汁加害します。着色期以降に加害された場合、吸われた部分の果皮と果肉が固着します。成虫の発生が多い年は9月以降に被害が増加します。年によって発生の変動が大きいので、園地を確認し、必要に応じて防除を行いましょう。薬剤はスタークル顆粒水溶2000倍を散布してください。
水稲
収穫について
稲刈りの時期がやってきました。収穫の目安は、出穂から38日です(品種および気候などにより日数の変動があります)。例えば、8月上旬に出穂の園地では、9月中下旬が収穫期となります。
収穫量の目安は、10a当たり480㎏(玄米重)です。
乾燥について
収穫した米は乾燥させます。
機械乾燥の場合は、乾燥速度を時間当たり0.5%までとしてください。急速な乾燥は胴われの原因となります。また、米を出荷する方は、水分方に注意し、水分量は15%までとしてください。水分の高い場合は、検査を受けられません。
等級について
米にも等級があり、官邸で1等から規格外まで4等級に分類します。鑑定方法として、米をカルトンに入れ、整粒・着色粒・異種穀粒などの割合で等級を決定します。
ただし、米穀鑑定には資格を有します。