ベトナムへの有田みかん輸出
更新:2024年11月11日
日中の気温もやっと20℃程度になり、今朝は最低気温が15℃まで下がり、ようやく秋らしくなってきました。
今年のミカンは九州各県や愛媛県などが裏年傾向で、尚且つカメムシや干ばつの影響で予想以上に出荷量が少なく、また有田産のミカンもいつまでも暑くて着色が進まず収穫・出荷が思うように進まず、そのせい(おかげ)か市場価格が今までになく高値を維持しています。本来、10月下旬になると極早生ミカンの出荷量が集中的に増え、価格も低迷するのですが産地にとっては有難いことです。このままの相場感で早生ミカンへバトンタッチできることを祈っています。
さて10月21日~25日、ベトナムへ有田みかん輸出に絡み、商談と現地視察目的で出張してまいりました。コロナ禍が始まって以来、アジアへは出掛けておらず、またベトナム訪問は初めてのため期待に胸を膨らませて関空から首都ホーチミンを目指して飛び立ちました。5時間半のフライト、時差2時間のため時差ぼけもなく、暑さも予想したほどひどくもなかったため少し拍子抜けしました。
ホーチミン市内には近代的な高層ビルが立ち並び、道路にはバイクが溢れていました。たいした事故もなくぶつからずに運転しているのには驚きました。
ベトナム戦争終結から50年近く経ち、人口が約1億人で平均年齢32.8歳、労働人口(15~59歳)が全体の約62%、また直近10年間はGDPが年率6~7%の高水準で成長し、新型コロナウイルス感染拡大期でも年率2~3%プラス成長するなど経済成長著しい国です。
ハノイやホーチミンなどの都市部では、一人当たりの所得が現在4万円弱程度らしいが消費意欲旺盛な子育て世代を中心とした中間層が拡大しており、健康志向の高まりから有機食品や果物の消費量が増加傾向で特に富裕層は高級果実を自家用、またはプレゼント用として購入するようである。
取引している果実商の直営店では、高級果実ギフトセットが日本と同程度の価格で販売されており、果実を納品している量販店(イオン・e-MART・LOTTE MART)などでは、バラ売りや袋入りなどの果実が日本よりも少し安い程度の価格帯で大量に販売されていました。高島屋デパートでは、果物をはじめ衣料品なども日本のデパートよりは少し安いけれど、かなりの高価格で販売されており、ベトナムの経済成長を目の当たりにしました。
ベトナムをはじめアジアでの「有田みかん」販路拡大の可能性を感じ、海外での販売において世界食糧機関(FAO)に申請中の「有田・下津地域のみかん栽培」が来年中にも承認されれば、「有田みかん」ブランドをよりPRしやすくなるのではと思います。それと同時にやや停滞気味な日本経済の現状が憂慮される出張となりました。
令和6年11月5日