農業者インタビュー

農業者インタビュー

土と水とわたし#3

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更新:2022年12月28日

今回は和歌山県有田川町で温州ミカンを中心に清見、せとか、八朔、米を生産する武内修一郎さんにお話を伺いました。前職はJAの営農指導員、専門知識を活かし「おいしい」を消費者に届けます。

土と水とわたし #3
土と水とわたし #3

就農した経緯を教えてください

農家の長男として後継ぎをする運命で育ち、それでも若いころは少しでも就農を遅らせようと農業大学へ2年、さらに縁あってJAへ営農指導員としてお世話になりそのまま40年が経ってしまい、4年前に定年退職してやっと就農となりました。でもその時は私の長男が先に就農しており息子の手伝いという形です。長く営農指導員として勉強させていただき、今は農家として現場で経験を重ねています。

私が勤めている間、妻と長男が頑張って畑を維持管理してくれていたことに感謝しています。

就農当時に苦労したことはありますか

私が参戦したら、それまでと比べて格段に良いミカンができるものだろうと思っていましたがなか

なか絵に描いたように上手くいきません。農業はその年の天候等毎年環境が違うので難しいし、思

い通りにいかないからこそ面白くもあります。

1日の作業量や作業内容はどう決めていますか

例えば温州ミカンの場合、極早生の日焼け対策はいつが最適か等、過去のデータ(日誌等)を基に適期適作業を心がけています。防除や収穫は家族で行うことが多いですがそれ以外は基本的にそれぞれが自由にやりたい作業をやっています。私は柑橘以外に野菜をいろいろ作って「ファーマーズマーケットありだっこ」に出荷しているのでその作業をすることが多いですが、趣味(家庭菜園)の部類なので楽しいですね。柑橘は仕事なのでちょっとしんどい作業ですがしっかり働きます。

農業の魅力とは何だと思いますか

生活に必要不可欠な第一次産業である農業は人間が生きていくために必要な食料を生産する仕事です。いつの時代でも食と地域のくらしを支えています。良いものを作って高い収入を得ることも重要ですが、自分が作ったものを「おいしい」と言って喜んでもらえた時は嬉しいし、そのことを思って作っている時は楽しい。その時間が農業の魅力だと思います。

次世代の担い手に応援メッセージをお願いします

ミカンをはじめ後継者不足で生産量が減ってきています。これからの時代、他の職業でも楽で安定的なものはそれほどありません。そう考えれば畑を持つ農家は恵まれています。すぐにでも職業にありつけるわけですから。農業が衰退してくるなかでの就農はチャンスと捉えるべきでしょう。

有田農業はミカンの適地として今後も日本一の産地を維持発展していかなければなりません。が、有田は恵まれた環境なので他の作物でも決して引けを取らないと思いますので柑橘以外でも伸ばせる品目を考えてみるのも良いですね。

プロフィール

武内 修一郎

  • 生産している主な農産物 温州ミカン、清見、せとか、八朔、米
  • 営農地域:和歌山県有田川町

多趣味な武内さんの日々は忙しい。趣味というには広すぎる畑で様々な野菜を作り、その傍ら最近ではシャインマスカットや洋ナシ作りにもハマっていると言う。スポーツ観戦ではテレビはもちろんチームユニホームを着用してスタジアムにも出かける。その他にも農家川柳を考えたりと好きを楽しむ理想のライフスタイルを送っています。