農業者インタビュー

農業者インタビュー

土と水とわたし#22

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更新:2024年7月25日

今回は和歌山県宮原町でスモモを栽培する西村嘉行さんにお話を伺いました。スモモ部会の創成期から有田地域でのスモモ発展に尽力し、「永久顧問」としてさらなる部会の成長を目指し、日々の農業に励んでいます。

就農のきっかけを教えてください

小さな頃から家業を見てきたので、いずれ自分も農業をするだろうと思っていました。柑橘を専門とする学校で農業を学び、JAの営農指導員として28年間勤め、22年前に実家の農業を継ぐために就農しました。

スモモ栽培を始めた理由を教えてください 

自身の園地ではもともと柑橘類のみを栽培していましたが、複数の品目を管理することで収入を確保し、天候不順による不作への栽培リスク対策としてスモモやキウイの栽培を開始しました。

スモモを始めたのは昭和50年代で、当時は指導員としてスモモ部会の立ち上げに携わりました。和歌山県内では産地としてスモモ栽培がすでに根付いていたJA紀南地区へ部会員らと視察に出向き、現地の農家や落葉果樹を担当する指導員から苗木の管理や剪定方法など栽培の基礎を学び、自身の園地で自ら栽培して学ぶスタイルで栽培技術を磨きました。

スモモ栽培をする上でのこだわりを教えてください

スモモは手をかければかけるほど、秀品率が上がり、収量が安定します。剪定や誘引、摘果作業など徹底した栽培管理に努めています。特に力を入れているのが、毎年12月下旬から1月末にかけて行う剪定作業です。寿命が30年といわれるスモモでは、古い枝を剪定することで、枝の若返りを図りながら樹勢を維持しています。作業の効率化を目的とした棚づくりでは、理想の樹形をイメージしながら、思い描く形に誘引してまんべんなく枝を配置しています。ただ、近年では温暖化の影響で開花時期が前後することや受粉を助ける虫の活動時期にズレが生じるなど、栽培環境が難しく苦労することが多くなりました。受粉樹の定植割合を一般的な本数よりも増やし、受粉を促進しながら着果率を上げるなどの工夫をしています。

今後の目標を教えてください

体力が続く限り一生懸命農業に取り組んでいく。部会の創成期から有田地域のスモモ発展に携わってきたので、さらなる部会の成長を目指し、みんなと一緒に頑張っていきたい。JAの県一合併が目前に控えているので、今まで以上に前進して有利販売に繋げたい。

プロフィール

西村 嘉行

  • 生産している主な農産物  スモモ、温州ミカン、キウイ、中晩柑類
  • 営農地域:和歌山県宮原町

スモモ部会の「永久顧問」として部会員らとコミュニケーションを取り、さらなる部会の成長を目指す西村さん。これからもみんなと一緒に頑張っていきたいと笑顔で話してくれました。