農業者インタビュー

農業者インタビュー

土と水とわたし#24

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更新:2024年9月26日

今回は和歌山県湯浅町で温州ミカンを栽培する井上侍聡さんにお話を伺いました。海外農業研修で将来につながるさまざまな人との出会いを経験。就農2年目、ミカンづくりで新たな人との繋がりを広げます。

農業を始めるまでの経緯を教えてください

小さい頃からミカン農家の長男として、自然と収穫作業や箱の組み立てなどの手伝いをしてきました。柑橘について学び、実家を継ぐと決めたのは高校2年の進路相談の時です。卒業後に農大に進学し、積極的に実習に取組み、さまざまな知識を学びました。農大卒業後は、父親や農大の教師からの勧めで、海外の農業研修に参加しました。国際農業者交流協会(JAEC)を介して、1年4か月はアメリカワシントン州のりんご園で農業の仕事と、4か月はスクールで語学の勉強をしました。大規模経営・大量生産の農業スタイルや、多国籍の人材が集まることで海外の文化を学ぶことができました。 帰国後、本格的に就農し、父と祖父からミカン栽培について技術指導を受けました。

就農後、ここが難しいと感じるところはありますか  

就農2年目、現在も作業工程を学んでいる最中で、どうしても指示待ちになってしまうことです。「品質の安定化」を目標の一つとして掲げており、剪定作業や薬剤散布はもちろんのこと、園地の管理にはとても気を付けています。園地管理の中でも剪定作業が好きで、剪定に詳しい方や、先輩などにも教わりながら作業をしています。まだまだ課題がたくさんありますが、自信を持って積極的に取り組んでいます。今後、ミカン農家として、さらに経験を積み、知識や技術を高め、成長していきたいと思っています。

農業の魅力とは何だと思いますか

農業を通じて、これまで全く面識がなかった人と繋がれることです。「売り手」「買い手」も人と人のつながり。良いものを作って届けることで、消費者を笑顔にしたい。

アメリカ研修での出会いもその一つで、日本から一緒にアメリカへ行った沖縄・宮崎・千葉・山口県の年代もバラバラの方々との出会い、現在も定期的に連絡を取り合う仲で有益な情報交換や互いの農産物を贈りあうなど、今後の人生においても貴重な出会いとなっています。

今後の目標を教えてください

品質の安定化と反当りの収量を増やすこと、平坦園地での規模拡大などを目標に頑張っていきたいです。また、ミカン農家として経験を積みながら、将来は、自分で作った加工品やデザートを提供するカフェを持つという夢を実現するために頑張りたい。

プロフィール

井上 侍聡

  • 生産している主な農産物  温州ミカン、バレンシア、レモン、清見等
  • 営農地域:和歌山県湯浅町

海外農業研修では大規模農業や海外の文化を学び、滞在期間中の長期休暇にはカリフォルニアやサンフランシスコ、ニューヨークなどを旅しました。見たことのない景色やたくさんの方との出会い、大変貴重な人生経験となりました。