農業者インタビュー

農業者インタビュー

土と水とわたし#25

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更新:2024年10月31日

今回は和歌山県有田川町で温州ミカンを栽培する小沢佑哉さんにお話を伺いました。祖父の代から始まった家業を継ぎ、尊敬する父の畑を守りながらミカン栽培に取り組んでいます。

就農のきっかけを教えてください

もともと「歴史」が好きで、大学では有田みかんの歴史や、商業について勉強していました。小さい頃に見た、地元の小学校で総合学習の一環としてミカンについての授業をするお父さんの姿に憧れて将来は教育関係の道も考えていましたが、おじいさんが体調を崩してしまい、お父さんを支えるためにも、就農することを決心しました。

就農されてみて気づいたことはありますか  

祖父の代から始まった家業を継ぎ、ミカン農家に就農して今年で6年目。就農当初は「付いて来て、見て学べ」というお父さんに対して、しんどいなと思いながら仕事に取り組んでいたため、なかなか覚えることができませんでした。しかし、技術指導をしてもらっていた矢先、就農2年目の夏にお父さんも病気を患ってしまい、突然畑の管理を担うことになりました。病院に足を運んでは、時期に応じた作業を教わりながらミカンづくりに励み、毎日、暗くなるまで作業に没頭していました。お父さんがいない間、畑を守らないといけないと必死でした。その後、在宅療養となり、散歩ついでに畑のチェックにも来てくれて、「摘果ができていない。剪定ができていない」などと、こまめにアドバイスしてくれました。お父さんは美味しいミカンづくりのためには、努力を惜しまず、ひた向きに農業に取り組む人でした。 最近は、就農したての頃にもっと積極的にミカンづくりについて、父から教わっておけばよかったと少し後悔しています。

取り組みについて教えてください

現在の園地は極早生品種の割合が特に多く、作業時期が偏るため無理のない収穫・出荷作業ができるように品種構成を見直していきたいと考えています。来年から、改植に取り組み、さらなる作業の効率化や高品質化を図り、近年の難しい栽培環境に適した園地づくりをしていきたい。先代の畑の良さを最大限に活かしながら、自分らしい園地づくりを進めていきます。

今後の目標を教えてください

これからの目標は、母に楽をさせてあげることです。昨年、尊敬するお父さんが亡くなり、介護や畑の管理など、これまで心身ともに疲労が多かったお母さんを労わってあげられるような自宅を建ててあげたい。

大変な日々の連続に、うつむいてしまうこともありますが、これから一人前の農家として成長して、美味しいミカンを作っていきます。

プロフィール

小沢 佑哉

  • 生産している主な農産物  温州ミカン、不知火、せとか、レモン等
  • 営農地域:和歌山県有田川町

忙しい毎日ですが、さらなる作業の効率化や高品質化を図り、特色ある園地づくりをしていきたい。尊敬するお父さんの畑を守り、これからも栽培を続けます。