農業者インタビュー

農業者インタビュー

土と水とわたし#27

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更新:2024年12月26日

回は和歌山県湯浅町田で温州みかんを栽培する森加代子さんにお話を伺いました。女性農業者としてJA理事を務め、「女性目線で暮らしを守る」毎日を楽しみながら柑橘栽培に取り組んでいます。

土と水とわたし #27
土と水とわたし #27

就農のきっかけを教えてください

夫の実家が柑橘農家でそこに嫁ぐことで就農しました。実家も農家で身近に農業はありましたが、農業経験はなく、夫について園地に出かけ、作業のやり方を習い、知識や経験を増やしながら覚えてきました。当時は夫の祖父母、両親、弟、子供2人にも恵まれ、9人家族。農作業に加え、家事に育児をこなす必要があり毎日がとても忙しかったです。

温州みかんを育てる魅力を教えてください

柑橘類は手軽で皮も剝きやすく、子供から大人まで家族みんなに好まれる果実です。黒潮の潮風にあたった柑橘は美味しく、地域的に雨量も少なく自然と美味しく実ります。自然の実りを消費者の皆様に喜んで食べていただけることが一番の魅力です。山畑で太陽を浴びて、おいしい空気をすって、毎日元気に仕事ができるのも農家ならでは。大変なことも多いですが苦労の先に楽しさがあります。毎日、忙しいけれど楽しいことの方が多いです。

農業へのこだわりを教えてください

とにかく美味しいみかんを栽培し、皆様に届けたい。農家は自然相手のみかん作り。台風や干ばつ、野草に害虫(イノシシやカラスも)と被害はありますが、地道な作業の先には美味しい田村みかんが出来上がると思い、農作業に励んでいます。夫とはみかんの箱の中身にバラツキがないようにしたいねと話し、箱の中身が同じ甘さになるように出荷できたらなと思っています。

今後の目標を教えてください

年々農家が減少している中、私の住む田村地域は若い世代の就農率が高く、嬉しく思っています。若い担い手が楽しく農業を経営できるように、柑橘栽培をして良かったと思えるように、これからも全国にまたそれ以上に美味しいみかんを届けたい。

私としては最近、腰痛に悩まされ、若い頃と同じようには動けなくなってきていますが、畑に行くのが好きでじっとしていられません。出来ることは手伝いたいので、これからもできる限りみかん作りに携わっていきたいと思います。

次世代の担い手に応援メッセージをお願いします

代々受け継がれてきた柑橘栽培。時代とともに若い新しい風をプラスしてこれからも消費者の皆様を大切に次の世代へと引き継いでいってほしいなと思います。ここ数年で資材、肥料、燃料も高くなりましたが、それに見合った価格、価値を生み出すことで農業は続けていけると思います。

プロフィール

森 加代子

  • 生産している主な農産物 温州みかん、清見、ポン柑、不知火、カラ、バレンシア、三宝柑、 レモン、枇杷
  • 営農地域:和歌山県湯浅町田

最近は子供達が主になって農業をしてくれるようになり、少し時間が出来たと言う森さんは家庭菜園にはまっているそうです。まだまだ思うようには出来ないと言っていますが、畑の空きスペースに色々な野菜を植えています。自分で育てた新鮮野菜を使って料理し、家族が美味しいと言ってくれるのが嬉しいと話します。また、もう一つの趣味「カホン」。見た目は四角い箱型で椅子のように座って演奏する打楽器です。音楽を手軽に楽しむことができ、先生はじめ、仲間と一緒に過ごす時間が楽しいと笑顔で話してくれました。